こんにちはジマヒロです。
A列車をプレイし続けて鉄分が上がったせいか、『時刻表2万キロ』なる本を読んでいます。
舞台は1970年代。時刻表マニアの著者が、時刻表をにらみながらこれまで乗った事の無い国鉄の路線に乗って国鉄全線完乗を目指すという、乗り鉄のはしりのような本です。
著者は本書執筆時点で9割方の国鉄路線を乗りつぶしており、残すは地方のローカル線、それも盲腸線と呼ばれる終点がどこにもつながらない枝線ばかり。
アクセスが悪い上、運行頻度も少ない区間を乗るために、時刻表を徹底的に読み込み、夜行列車・徒歩・タクシー・バスとあらゆる手段を駆使する様子は、今読んでも面白いです。
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ところで本書で登場するローカル線、今もあるんでしょうか。
本書でも登場した70年代の時点で大半が赤字であると書かれていますし、鉄道に詳しくない私でも、ココはもうないだろうなぁ、という路線がありますが気になったので調べてみました。
調査する路線は各章のタイトルになっている計73線区。
それ以外にもサラッとふれている路線もありますが、それは除外しました。
2022年12月時点の情報となります。
宮脇俊三が旅をしてからおよそ50年。果たして彼の足取りをたどることはできるでしょうか。
- 第1章 神岡線・富山港線・氷見線・越美北線
- 第2章 鶴見線
- 第3章 唐津線・松浦線・大村線・三角線・指宿枕崎線・宮之城線・香椎線・勝田線・日田彦山線・田川線・伊田線・添田線・上山田線・加古川線・三木線・北条線・鍛冶屋線
- 第4章 美祢線・宇部線・小野田線・可部線・岩日線
- 第5章 「西寒川線」・清水港線・岡多線・武豊線・「赤坂線」・樽見線
- 第6章 左沢線・長井線・赤谷線・魚沼線
- 第7章 美幸線・興浜北線・興浜南線・名寄本線・渚滑線・歌志内線・「上砂川線」・万字線
- 第8章 「尼崎港線」・「東羽衣線」・角館線・矢島線・阿仁合線
- 第9章 妻線・湯前線・甘木線・矢部線・長崎本線・漆生線・糸田線・香月線・宮田線・室木線
- 第10章 会津線・日中線
- 第11章 小松島線・牟岐線・能登線・富山港線
- 第12章 白糠線・留萠本線・「登川線」・「室蘭線」・瀬棚線・黒石線・盛線
- 第13章 足尾線 - 最後の一線
- 第14章 気仙沼線 - 開通の日
- まとめ
第1章 神岡線・富山港線・氷見線・越美北線
神岡線:2006年廃止
富山港線:富山地方鉄道(株)のLRT路線として存続
氷見線:存続
越美北線:存続
まずは北日本を攻めています。意外にも登場する4路線中3路線が存続しています。
神岡線の終点神岡は鉱山の町。時代の流れで廃止やむなしでしょうか。
富山のLRTは地方鉄道の成功事例として有名ですね。
さい先のよいスタートです。
第2章 鶴見線
鶴見線:存続
我が町鶴見の工場地帯を今日も元気に走っています。
国道駅の廃墟感はたまりません。
海芝浦駅も必見。
第3章 唐津線・松浦線・大村線・三角線・指宿枕崎線・宮之城線・香椎線・勝田線・日田彦山線・田川線・伊田線・添田線・上山田線・加古川線・三木線・北条線・鍛冶屋線
唐津線:存続
松浦線:松浦鉄道(株)の西九州線として存続
大村線:存続
三角線:存続
指宿枕崎線:存続
宮之城線:1987年廃止
香椎線:存続
勝田線:1985年廃止
日田彦山線:存続
田川線:平成筑豊鉄道(株)の路線として存続
伊田線:平成筑豊鉄道(株)の路線として存続
添田線:1985年廃止
上山田線:1988年廃止
加古川線:存続
三木線:2008年廃止
北条線:北条鉄道(株)の路線として存続
鍛冶屋線:1990年廃止
東唐津から西唐津への移動や、姫路での夜行列車途中下車などアクロバティックな動き
が見所。
香椎線から上山田線までは筑豊炭田エリアを走る路線。その多くが廃止されています。
登場する17路線のうち、存続しているのは11路線でした。
第4章 美祢線・宇部線・小野田線・可部線・岩日線
美祢線:存続
宇部線:存続
小野田線:存続
可部線:一部廃止
岩日線:錦川鉄道(株)の錦川清流線として存続
山口、広島。登場5路線のうち4路線が存続。可部線の一部区間が廃止となっており三段峡に到達出来ません。
惜しい!!
第5章 「西寒川線」・清水港線・岡多線・武豊線・「赤坂線」・樽見線
「西寒川線」:1984年廃止
清水港線:1984年廃止
岡多線:愛知環状鉄道線(株)の路線として存続
武豊線:存続
「赤坂線」:存続
樽見線:樽見鉄道(株)の路線として存続
「」つきの路線は正式名称ではありません。幹線の支線で名前がない路線の通称名です。
淡々と未乗区間を乗りつぶしています。
6路線のうち4路線が存続。
第6章 左沢線・長井線・赤谷線・魚沼線
左沢線:存続
長井線:山形鉄道(株)のフラワー長井線として存続
赤谷線:1984年廃止
魚沼線:1984年廃止
山形の2路線は今なお存続していますが、新潟の2路線はいずれも廃止。
第7章 美幸線・興浜北線・興浜南線・名寄本線・渚滑線・歌志内線・「上砂川線」・万字線
美幸線:1985年廃止
興浜北線:1985年廃止
興浜南線:1985年廃止
名寄本線:1985年廃止
渚滑線:1985年廃止
歌志内線:1988年廃止
「上砂川線」:1994年廃止
万字線:1985年廃止
北海道を集中的に攻略。本書でも乗客の少なさが言われておりましたが、案の定登場する8路線は全て廃止となってしまっています。
興浜北線と興浜南線は最後までつながることは無かったんですね。
第8章 「尼崎港線」・「東羽衣線」・角館線・矢島線・阿仁合線
「尼崎港線」:1981年廃止
「東羽衣線」:存続
角館線:秋田内陸縦貫鉄道(株)の路線として存続
矢島線:由利高原鉄道(株)の鳥海山ろく線として存続
阿仁合線:秋田内陸縦貫鉄道(株)の路線として存続
5路線中4路線が存続。東北地方の路線は多くが第3セクター化されてはいるものの健闘していますね。角館線と阿仁合線にいたっては新路線が開通して秋田内陸縦貫鉄道として一体化されています。
第9章 妻線・湯前線・甘木線・矢部線・長崎本線・漆生線・糸田線・香月線・宮田線・室木線
妻線:1984年廃止
湯前線:くま川鉄道(株)の路線として存続
甘木線:甘木鉄道(株)の路線として存続
矢部線:1985年廃止
長崎本線:存続
漆生線:1986年廃止
糸田線:平成筑豊鉄道の路線として存続
香月線:1985年廃止
宮田線:1989年廃止
室木線:1985年廃止
九州地方で乗り残していた10線区を完乗。後半の漆生線・糸田線・香月線・宮田線・室木線の5路線は筑豊エリア。やはり炭鉱とかの鉱山用の路線は生存率が低いですね。
10路線中4路線が存続
第10章 会津線・日中線
会津線:会津鉄道(株)の路線として存続
日中線:1984年廃止
会津地方の2路線。東京から簡単に行けそうだけど、同日に2路線乗るのは結構むずい。
2路線中1路線が存続
第11章 小松島線・牟岐線・能登線・富山港線
小松島線:1985年廃止
牟岐線:阿波室戸シーサイドラインとして存続
能登線:2005年廃止
富山港線:存続(再登場)
富山港線は第1章でごく一部乗り残しが出たので再登場。執念ですね。
初登場3路線中1路線が存続
第12章 白糠線・留萠本線・「登川線」・「室蘭線」・瀬棚線・黒石線・盛線
白糠線:1985年廃止
留萌本線:一部廃止。残る区間も段階的に廃止予定
「登川線」:1981年廃止
「室蘭線」:存続
瀬棚線:1987年廃止
黒石線:1998年廃止
盛線:三陸鉄道リアス線として存続
留萌本線は本編で著者が未乗区間として乗車した留萌―増毛間が2016年に廃止。残る区間も2026年までに段階的に廃止予定です。
北海道で宮脇俊三の足跡を追うのは無理ですね・・・。
登場7路線のうち1路線存続。
第13章 足尾線 - 最後の一線
わたらせ渓谷鐵道の路線として存続。
最後の未乗区間として登場。
ついに国鉄全線完乗を果たすわけですが、あんがい淡々と乗っています。
第14章 気仙沼線 - 開通の日
未開通だった柳津―本吉 の開通に伴い乗車。
本路線は2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を受け、結局かなりの部分がBRTに転換されています。
まとめ
と言うわけで『時刻表2万キロ』に登場する73線区のうち、現在も存続しているのは36線区!でしたー。
おおよそ半分の地方線が現在も存続して、今日も乗客を運んでいます。
個人的にはもっとばっさり無くなっているかと思っていたのですが、意外な結果。
やはり北海道の路線が壊滅的ですね。あとは筑豊エリアなど鉱山のための路線は生存率が低め。
第2章鶴見線と、第13章足尾線は宮脇俊三が辿ったルートを再現できます。機会があれば挑戦してみてはいかがでしょう!?
それでは!!